SOLATOのルーツから、地域スタンドの進化まで ―
愛媛県のガソリンスタンドの歴史をたどると、 単なる「給油所の歴史」ではなく、四国の石油産業そのものの発展史が見えてきます。
特に、現在も県内で多く見られる SOLATO(太陽石油) の存在は、 愛媛のガソリンスタンド文化を語る上で欠かせません。
1. 愛媛の石油産業の始まり
愛媛の石油産業は、明治〜大正期に活躍した 青木繁吉 という人物から始まります。
- 明治41年:高知で灯油の行商を開始
- 大正4年:八幡浜へ移転し、石油製品の販売を本格化
- 大正7年:日本初の木造タンカー「第五繁久丸」を運航
この時期、まだガソリンスタンドという概念はなく、 石油は行商や直販で売られていました。
2. 太陽石油(SOLATO)の誕生と愛媛の製油所
昭和13年、青木繁吉の事業は ミカド製油(兵庫)・松岡石油(松山) と合併し、 太陽石油株式会社 が誕生します。
そして、愛媛県菊間町(現在の今治市)に 太陽石油・菊間製油所 が建設されました。
この製油所は四国の石油供給の中心となり、 後のガソリンスタンド網の発展に大きく貢献します。
3. 戦後〜高度成長期:ガソリンスタンドが街に広がる
戦後、自動車の普及とともに、愛媛県内にもスタンドが急増。
- 松山市
- 今治市
- 新居浜市
- 西条市
- 宇和島市
など、主要都市を中心にフルサービス型のスタンドが広がりました。
この頃は、 ENEOS(旧・日本石油) 出光 コスモ石油 などの大手ブランドが主流でしたが、 SOLATO(太陽石油)も四国の地場ブランドとして存在感を強めていきます。
4. 昭和46年:菊間製油所の大規模設備更新
昭和46年、菊間製油所に 集中合理化装置・常圧蒸留装置(49,000バレル/日) が導入され、 高品質な自動車用ガソリンの大量生産が可能に。
これにより、愛媛県内のスタンドは安定した供給を受け、 SOLATOブランドの拡大が加速しました。
5. 平成〜現在:セルフ化・独立系の台頭
2000年代以降、愛媛県でもセルフスタンドが急増。
- PLus4(新居浜)
- DMガス(西条)
- JA-SS
- 地域の独立系スタンド
など、地元密着型のスタンドが増え、 価格競争やサービスの多様化が進みました。
特に新居浜・西条エリアは、 四国でもトップクラスにガソリン価格が安い地域 として知られています。
愛媛県の現在のスタンド分布
MapFanのデータによると、愛媛県には以下のように多くのスタンドが存在します。
| 市町村 | スタンド数 |
|---|---|
| 松山市 | 91 |
| 今治市 | 62 |
| 新居浜市 | 23 |
| 西条市 | 39 |
| 宇和島市 | 35 |
都市部に集中しつつも、 南予や山間部にも一定数が残っているのが特徴です。
まとめ:愛媛のガソリンスタンドは「地元産業とともに育った」
愛媛県のガソリンスタンドの歴史は、 単なる給油所の増減ではなく、
- 青木繁吉の行商から始まった石油産業
- 太陽石油(SOLATO)の誕生
- 菊間製油所の発展
- 地元独立系スタンドの台頭
といった、地域経済と密接に結びついた物語です。
今、私たちが何気なく利用しているスタンドの背景には、 100年以上続く愛媛の石油の歴史が息づいています。
